子宮頸がんについて考えよう

子宮頸がんの検診も受けてみませんか?

子宮頸がんの検診も受けてみませんか

乳がんの早期発見・早期診断・早期治療の大切さを伝え、乳がん検診受診率の向上を目指す「ピンクリボン」運動。
最近、少しずつですが検診の受診率も向上し、「ピンクリボン」の認知度が高まっていることを感じます。
でも、女性特有の疾患は「乳がん」だけではありません。
そのひとつ、「子宮頸がん」。
乳がんと同じく、いまだ検診受診率が低いのが現状です。
そして、早期発見・早期治療できれば治癒率が飛躍的に向上する、というのも乳がんと同じです。
もし「ピンクリボン」を知って乳がん検診を受けようかな、と思ったら、子宮頸がんの検診も一緒に受けてみませんか。
私たちは、「ピンクリボン」運動が、乳がん関連の啓発にとどまらず多くの女性自身の心とカラダを見つめ、メンテナンスをするきっかけになれたらと願っています。

決して特別な病気ではない子宮頸がん

20代~30代に急増中。74人に1人が子宮頸がん。
子宮頸がんは20~30代の若い女性がかかるがんの中で最も多く、40代では罹患率が一番多いがんとなります。
10年間で約2倍にも増え、一生のうちにおよそ74人に1人が子宮頸がんになるといわれています。
これは決して特別は病気ではありません。毎年約1万5000人が発症、約3000人もの女性が命を失っています。

子宮頸がんになる原因は?

子宮頸がんになる原因は、性交渉により日常的に感染するヒトパピローマウィルス(HPV)によるものといわれています。
感染の多くは免疫力などにより自然排除されますが、1%未満の割合でがんに進行する可能性があります。

子宮頸がんの症状は?

初期の子宮頸がんは、自覚症状がほとんどありません。
月経中でないときや性交渉の際に出血したり、普段と違うおりものが増える、月経血の量が増えたり月経期間が長引くなど気に掛かる症状があるときは、ためらわずに早めに受診することで早期発見につながります。
カラダの異変を感じ通院したときにはすでにがんが進行していることがあり、若くして出産をあきらめなくてはならなくなるという深刻な問題も抱えています。
早期に発見することができれば、子宮頸がんは治療の経過が比較的良い病気です。

子宮頸がんの検査方法

子宮頸がんの検査方法
HPV検査

小さなブラシで子宮の入り口をこすります。
痛みはほとんどありません。発がん性のあるハイリスクなHPVに感染しているかがわかります。
陽性=頸がんということはなく、将来頸がんになる危険性をチェックする検査です。

細胞診

綿棒などで子宮の入り口を軽くこすって細胞を採取。痛みはほとんどありません。
採取した細胞は、専門家が顕微鏡でチェックし、評価します。
1~2年に一度の受診をおすすめします。

子宮頸がんはワクチンで予防できます

子宮頸がんはワクチンで予防できます

検診ですりぬけてしまう子宮頸がんのタイプも多いのも事実です。そのために、ワクチン接種で予防することも大切です。
子宮頸がんは、ワクチン接種で60%予防ができます。
ワクチンの副作用は0ではありませんが、重篤な副作用においては再検討されて、今は産婦人科学会・産婦人科医会も接種をすすめています。
またワクチン接種は世界保健機関(WHO)が推奨し、海外では普及が進んでいます。
公費助成などで接種が受けられる公的接種となっているのは現在約80カ国あり、オーストラリア、イギリス、スペインは80%の接種率、アメリカやドイツは40-50%と日本に比べ高い接種率となっています。
産婦人科医は子宮頸がんで若い女性の子宮を摘出したくありません。

他人ごとではありません
自分のカラダを守るのはあなた自身です

他人ごとではありません。自分のカラダを守るのはあなた自身です

将来妊娠を望んでいたにもかかわらず、子宮頸がんにより若くして妊娠をあきらめなくてはならない方や、育児中のお子さんを残して亡くなってしまう方もいらっしゃいます。
特に症状がなくても、20歳を過ぎたら、あるいは性交渉をするようになったら、2年に1回は子宮頸がんの検診を受けましょう。
あなた自身のために、大切な人のために、定期的な検診であなた自身のカラダを守ってください。